もてなしの食事だった?湯漬け





もてなしの食事だった?湯漬け

戦国時代,湯漬け,信長,エピソード

 

 

湯漬けと聞いてピンと来る方、いますか?

 

 

『茶漬けなら聞いた事あるケド…』

 

 

そのお茶漬けのお湯版、つまりご飯にお湯をかけたものです。

 

 

そう、シンプルな食事法ですね。

 

 

そしてこの湯漬け、有名なエピソードも残っているんですね。

 

 

賤ヶ岳の戦いの際、柴田勝家が越前北の庄へ引き上げる時に、前田利家のもとへ立ち寄り、湯漬けを所望したとの事。

 

 

また信長公記の桶狭間合戦の記事に、信長が立ったまま食事をとったという記述がありますが、最近の研究では、この時食べたのは湯漬けだったとか。

 

 

しかしこの戦国時代のファーストフ―ドともいえる様な湯付け。

 

 

けっしてカンタンな食事方というだけではなく、おもてなしの膳にも採用された食事方なのです。

 

 

どういうことか?

 

 

鎌倉時代以降は、様々な記録や日記に、この【湯漬け】の文字が出てくるんです。

 

 

まず、鎌倉時代である永仁三年(1295)に書かれた書物に、湯漬けは、香の物や豆醤、焼味噌と一緒に出すべきとすでに書かれておいます。

 

 

そして室町時代には、酒に酔った足利義政のために、湯漬けが出されたとの記録があり、

 

 

さらに戦国時代には、三好氏や毛利氏の屋敷で、足利将軍を招いての接客が行われていますが、その膳に湯漬けが出されたことが記録に残っています。

 

 

料理や酒で、コッテリした口の中を、サッパリさせるために用いられたのかもしれませんが、饗応の膳に、採用された食事方という事が分かります。

 

 

ちなみに夏はお湯ではなく、冷水をかけた水飯(すいはん)に変わりました。

 

 

ちなみに【お茶漬け】が出回るようになったのは、江戸時代中期頃という事です。

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